みんなで集まって行事・イベントを行う時の保険
ハイキング・キャンプ・学芸会・科学教室・卓球・野球・サッカー・サイクリングなど、日々、全国各地でさまざまなイベントが開催されております。
そんな時、
もし、行事参加者がケガをしたらどうしよう… 心配だな…
と不安に思われる主催者、その団体・グループの皆様に適した保険は、
- レクリエーション傷害保険
- 施設賠償責任保険
主に、この2つです。では、2つの保険の違いと加入方法について解説します。
レクリエーション傷害保険と施設賠償責任保険の比較
保険種類 | レクリエーション傷害保険 | 施設賠償責任保険 |
---|---|---|
補償される時 | イベント主催者の管理責任の有無を問わず偶然な事故によりケガをしたとき | イベント主催者の管理責任等により参加者がケガをし賠償責任が生じたとき |
事故事例 | スポーツ中に足をぐねって捻挫した、音楽会が開催されてるホール内の階段で転んでケガをした等。 | 仮設テントが倒れ、鉄製の柱が参加者を直撃しケガをし、主催者に損害賠償責任が生じ治療費を払わなくてはいけない等。 |
申込条件 | 1日平均20名以上の参加者があり、かつ、名簿等によって参加者を把握できる行事 ※包括契約の場合は除く | 展示会など、不特定多数の方が参加・来場する行事 |
わかりやすくシンプルに説明すると、
- レクリエーション傷害保険は、ケガをしたら補償されます。(傷害保険)
- 施設賠償責任保険は、イベント主催者が参加者に迷惑をかけてケガをしたら補償されます。(賠償責任保険)
つまり、施設賠償責任保険は、参加者自身の偶然な事故によるケガは補償されないということです。
レクリ傷害? 施設賠償?
どちらの保険に加入すべきなのか?!
参加者が不特定多数
誰が来るか分からない不特定多数が参加するイベントの場合は、施設賠償責任保険のみ加入できます。
こんなとき、お役に立ちます。
- 各種施設・設備・用具などの構造上の欠陥や管理の不備による事故
強風の中、行われた市民体育大会で、突風のため仮設テントが倒れ、鉄製の柱が参加者を直撃しケガをした。 - 行事運営等での不注意による事故
サッカー大会において、試合終了後の観客の誘導にミスがあり、階段で観客が将棋倒しになりケガをした。
参加者(人数)が把握できてる
行事参加人数が確定してる場合は、レクリエーション傷害保険・施設賠償責任保険どちらも加入できます。
保険マン太
参加者名簿により、人数が把握できてる場合は、両方入るべきなのか?
2つとも加入すれば安心なのですが、そこはケースバイケースです。同好会のような主催者と参加者の区別がつかない場合もあります。
そこで、いくつかの架空の事例を紹介しますので、ご参考ください。
- 同好会的な団体・グループ
健康維持や趣味のために集う保険町卓球クラブは、定期的に卓球大会を開催しています。基本的にはケガをした場合は自己責任だけど、事故が起こってケガ人が出たら心配だし、なにか保険に入っておこう。
👉とりあえず、安心のためにレクリエーション傷害保険に入っておこう。 - 業務の一貫として開くイベント
100人の生徒を集めて野外コンサートを開催するABC音楽教室・代表の桜田桜子さん。コンサートに参加する生徒やその親御さんが、もしケガをしたらどうしよう? スピーカーを設置してる足場が倒れてきたりして損害賠償責任が生じたらどうしよう?
👉万一のために、レクリエーション傷害保険と施設賠償責任保険どちらも入っておこう。
レクリエーション傷害保険の補償内容・加入方法
行事(レクリエーション)に参加するために集合地に集合した時から解散地で解散するまでの間で、かつ、責任者(主催者)の管理下にある間の事故によるケガを補償します。
保険料の計算、料率について
保険料の計算は、
料率は、A,B,Cと3つの区分に分かれ、Aが一番安い保険料で、Cが一番高いです。
A | B | C |
---|---|---|
日帰り遠足、ゲートボール、ゴルフ、水泳、ソフトボール、バドミントン、バレーボール、ヨガ、ウォーキングなど。 | アスレチック、運動会、サイクリング、ジョギング、軟式野球、バスケットボール、日帰りキャンプ、陸上競技など。 | 硬式野球、柔道、空手、相撲、サッカー、フットサル、ホッケー、スキー、スノーボード、ラグビーなど。 |
保険マン太
ただし、危険度の高いイベント(行事)は、保険に加入できないのでご注意ください。
保険料例
参加人数100名の場合の各料率(イベントの種類)のサンプル保険料です。
保険金額 | |
---|---|
死亡・後遺障害 | 500万円 |
入院日額 | 5,000円 |
通院日額 | 3,000円 |
保険料 | |
A | 2,740円 |
B | 13,634円 |
C | 27,265円 |
保険金額は、1名あたりの補償額です。入院日額は5,000円ですから、ケガをして10日間入院した場合は保険金5万円のお支払いとなります。
他にも便利な3つのオプション(特約)があります。
天災危険補償特約 | 地震もしくは噴火またはこれらを原因とする津波によるケガのときも、保険金をお支払いします。 |
---|---|
熱中症危険補償特約 | 保険期間中の急激かつ外来による日射または熱射により被った身体の障害についても、保険金をお支払いします。 |
食中毒補償特約 | 細菌性食中毒およびウイルス性食中毒により被った身体の障害もケガに含まれるものとして、保険金をお支払いします。 |
保険マン太
これらの特約は比較的お手ごろな保険料です。真夏の炎天下の中のイベント開催時などにオススメですね。
スポット契約の申込み・加入方法
レクリエーション傷害保険に加入できない主な場合
- 名簿等により誰が参加するか把握できてない。
- 1日あたりの参加人数が20名未満の場合
例えば8月1日~3日間のイベント、
8月1日:25名
8月2日:18名
8月3日:15名
の場合、1日あたり19名となります。よって加入できません。20名以上でないと加入できません。 - イベント主催者・スタッフだけ保険に加入できません。行事参加者全員の人数で加入いただきます。
- 宿泊を伴う行事(キャンプ旅行・合宿など)は加入できません。その場合は、国内旅行保険にご加入ください。
- プロのスポーツ大会
1年間に数十回も開催するので、その都度、保険に加入するのが面倒だな… まとめて契約できないかな~…
年間の行事、全部まとめて加入する包括契約もあります!
複数の行事をまとめて加入することもできます。
- 参加人数が確定していなくても、
- 複数の行事がありA,B,C3つの料率にまたがっていても、
まとめて加入できます。これを包括契約といいます。
包括契約の種類は大きく分けて2つ
- 毎月または保険契約終了後にその開催通知(行事実施日、行事の種類、参加人数等)をご提出いただき、精算を行う方式
- 前年開催実績と今年度の予定表を提出いただき年間包括契約する方式
保険マン太
①の方式は、なにかと面倒(関西弁だと邪魔くさい)なので、ここでは割愛します。
では、②の方式について分かりやすくシンプルに説明します。申込みの流れは以下のとおりです。
- 前年に開催された行事の種類・開催日・参加人数をエクセル等にまとめる。
- 今年度の行事の種類・開催日・見込み参加人数をエクセル等にまとめる。
- それらの資料(データ)を保険代理店に提出し見積もりを取得し申込み契約する。
そして、「保険料確定特約」をセットすれば、保険期間満了後の面倒な精算作業等は不要です。
今年度の予定表と違った参加人数等になっても補償はされます。イメージとしては、前年の保険料を今年払っている感じです。
データ作成は面倒ですが、年1回頑張ればあとは楽です。事務作業の負担軽減に、前年開催実績と今年度の予定表を提出いただき年間包括契約する方式をオススメします。
施設賠償責任保険の補償内容・加入方法
イベント主催者の運営上の不備によって生じた偶然な事故により、イベント参加者がケガをしたり、第三者の持ち物が壊れたりした場合に、イベント主催者が法律上の損害賠償責任を負担することにより被る損害に対して、保険金をお支払いいたします。
保険マン太
つまり、行事参加者の方に迷惑をかけてしまった場合の保険です。
保険料の計算、料率について
保険料の計算は、
料率は、3つだけのレクリエーション傷害保険と違い多岐にわたります。
保険料例
身体障害・財物損壊??!! 難しい言葉… なにそれ…
自動車保険に置き換え、
- 身体障害→対人賠償保険
- 財物損壊→対物賠償保険
とイメージいただくと分かりやすいかと思われます。
区分 | 支払限度額 (1名につき) | 支払限度額 (1事故につき) |
---|---|---|
身体障害 | 3億 | 3億 |
財物損壊 | 3,000万円 |
上記の補償内容の場合の保険料は、
- 参加人数が2,000人のコンサート
約14,000円 - 参加人数が2,000人のサッカー大会
約80,000円
他にも便利なオプション(特約)があります。
飲食物危険補償特約 | 祭りやイベント等の場合、提供する飲食物に起因して事故が起こったとき。 |
---|---|
借用イベント施設損壊補償特約 | イベントに使用する目的で借りてる建物等に不測かつ突発的な偶然な事故に起因して損壊を与え迷惑をかけたとき。 ※常時借りてる建物等は対象外です。 |
保険マン太
これらの特約をセットしておくと、より安心ですね。
申込み方法
- レクリエーション傷害保険は、イベント主催者&参加者みんなで入るケガの保険で、施設賠償責任保険はイベント主催者が参加者に迷惑をかけた場合の保険。
- レクリエーション傷害保険は、名簿等で参加者が把握でき、かつ、1日あたりの参加人数が20名以上でないと加入できません。
- 施設賠償責任保険は、不特定多数が参加・来場するイベント開催時にオススメの保険。